2009年3月22日「死神の精度」(文庫本)を読みました。
感想 <死神の精度>
「死神の精度」
前回読んだときの感想を改めてみてみた。
『最後の「死神対老女」がすっごくいいです』そう、書いていた。
やっぱり・・・2回目も初回と同じ感想を持った。
この本は、短編集の形ではあるが、6つの話でひとつになっていると思う。
最後の「死神対老女」がいいと思うのは、長編小説のラストシーンがいいと思うのと同じことだろう。
それまでの5編の小説があるからこそ、この「死神対老女」が冴える。
千葉は、人間ではなく、クールな死神である。
でも、彼は、人間の持っている温かさを持ち合わせた死神のようだ。
どの話も、最後には救われた気持ちになるから。
あらすじ <死神の精度>
「死神の精度」 苦情処理の電話応対係の女
「死神と藤田」 任侠の世界の男
「吹雪に死神」 雪山のホテルで起きる連続殺人
「恋愛で死神」 洋服店に勤める男
「旅路を死神」 母親を刺した男
「死神対老女」 美容院を営む老女
死神である千葉が見た、6人の人間の物語。
6編の短編からなる連作短編集。
クールな死神の千葉は「死」を実行するのに適しているかどうかを判断し、「可」か「見送り」かを報告するのを仕事としている調査官である。
調査は一週間。
「可」の報告をした場合は、翌日、つまり八日目に死が実行される。
調査官の死神は、その実行を見届けて仕事を終了したことになる。
彼が仕事をする時は、いつも雨が降っているという雨男である。
ミュージックが好きで、よくCDショップで視聴している。
旧「紙飛行機文庫」に書いた「死神の精度」の感想はこちらです。
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単行本 <死神の精度>
出版社 文藝春秋
発売日 2005年6月28日
文庫本 <死神の精度>
出版社 文春文庫
発売日 2008年2月8日