2009年7月4日「グラスホッパー」(文庫本)を読みました。
感想 <グラスホッパー>
ラストの一行。
「回送電車は、まだ通過している」
この一文で終わる、この小説。えっ???
最後に、わたしの頭の中に?が増殖した。
これは、どう解釈したらいいんでしょうね。
(P165)
「兆候はあるんですよ、幻覚のしるしは。例えば、街で立っている時に、
目の前の信号の点滅が止まらなかったり・・・・・(中略)
この列車ずいぶん長いなあ、なんて思ったら、まずい兆候ですよ・・・(略)」
一体、鈴木はいつから幻想を見ていたのかなあ。
健太郎と孝次郎の姿を見たところからが幻想なの?
でも田中が鯨に幻覚について、話している内容によると
「信号」は幻覚の見始めで、「列車」は目覚めの合図だそうだ。
ということは、鈴木が寺原を待っている時の信号が、幻覚の見始めで、
ラストの回送電車が目覚め・・・?
つまり、すべてが幻想だったということ? まさか。
うーん。ラストで悩んでしまった。
あらすじ <グラスホッパー>
鈴木は妻をひき逃げで殺される。
その犯人の寺原に復讐をしようと、寺原の父が経営する会社に入り込む。
復讐をする前に、寺原は「押し屋」と呼ばれる殺し屋によって死んでしまう。
その押し屋を探しあてることを命じられる鈴木。
その間に、別の殺し屋「鯨」と「蝉」が関わってくることになる。
主な登場人物
鈴木 (妻がひき逃げされ死亡した。その復讐をたくらむ)
鯨 (自殺させるという殺し屋の大男)
蝉 (ナイフ使う殺し屋で、蝉のようにうるさい男)
槿 (押し屋の殺し屋)
岩西 (蝉の上司)
----------------------------------------------
単行本 <グラスホッパー>
出版社 角川書店
発売日 2004年07月31日
文庫本 <グラスホッパー>
出版社 角川文庫
発売日 2007年06月23日