「楽園の楽園」を読みました。
2025年1月25日 感想とあらすじを書きました。
ネタバレ・本文引用を含みますので、未読の方はご注意ください。
感想 <楽園と楽園>
インタビューで、伊坂幸太郎さんは「何を言っているか分からないけれどすごい」という部分があるのが理想であると、お話しされています。
その理想に近い物語だと感じました。
うまく説明のできない、漠然とした「すごい」を感じる物語だったのです。
動物も植物も自然な状態でその場にいる、のどかで美しい光景。
その光景を見た五十九彦は「なるほど、楽園とはこういうことか」と内心を漏らしています。
また、自然の美しさに溢れている楽園から、人間は始まったと先生は言いました。
自然の壮大さが伝わる部分も、この物語の「すごい」かもしれません。
加えて、デビュー25周年ということも意識されたのか、デビュー作「オーデュボンの祈り」の案山子に通じるところがあるのは、伊坂幸太郎さんらしさの「すごい」だと思いました。
●「楽園の楽園」好きな言葉を「365日 本棚のしおり」に書きました
あらすじ <楽園と楽園>
世界が様々な災いに見舞われ、その混乱の原因は人工知能「天軸」の暴走であり、その暴走を止めたのは、開発者の「先生」と思われました。世界が平和に戻った時、五十九彦、三瑚嬢、蝶八隗の三人は、「天軸」と「先生」を探すよう命じられます。3人は、先生が残した水彩画「楽園」を手がかりに、旅に出るという物語です。
伊坂幸太郎郎さん 作家デビュー25周年の書き下ろし短篇小説です。
● 小学館「小説丸」伊坂幸太郎さん『楽園の楽園』*PickUPインタビュー
-----------------------------------------------------------------
単行本
楽園の楽園
出版社 中央公論新社
発売日 2025年1月22日
-----------------------------------------------
-----------------------------------------------