紙飛行機文庫 <紙飛行機ドットコム>

伊坂幸太郎さんの作品に惹かれて、伊坂幸太郎さんのファンになりました。伊坂幸太郎さんの、最新刊から文庫本まで読み、感想やあらすじなどを書いています。

チルドレン <伊坂幸太郎さん>

2009年1月18日「チルドレン」(文庫本)を読みました。

感想 <チルドレン>

陣内のキャラクターがすごくいい。
めちゃくちゃなことを言っているようで、実は真実だったりする。

陣内と父親とのことが描かれたラストもいい。
「チルドレンⅡ」は、ちょっとうれし泣きしそうだった。
陣内さん、やるやん!って感じ。

やっぱり、大人はカッコ良くないとね!
そう思える小説だった。

 

あらすじ <チルドレン>

伊坂 幸太郎さん曰く、「短編集のふりをした長編小説」である。

バンク
チルドレン
レトリーバー
チルドレンⅡ
イン

この5つの短編集からなる本。

 

主な登場人物
  陣内 (家裁調査官)
  武藤 (家裁調査官で、陣内の後輩)
  鴨居 (陣内の友人)
  永瀬 (盲目の青年)
  優子 (永瀬の恋人)


表題作の「チルドレン」は、陣内と武藤の家裁調査官の話。
高校生の万引き事件を担当する武藤。

 

「チルドレンⅡ」もふたりの家裁調査官としての話。
この時、武藤は離婚調停を担当する。「チルドレン」から1年後という設定。

 

「バンク」は、陣内が家裁調査官になる前の大学生の時の話。
友人の鴨居と銀行へ行った際に、お面銀行強盗事件に巻き込まれる。
そして、その際に永瀬と出会う。

 

「レトリーバー」も、陣内が家裁調査官になる前で、失恋をした22歳の時の話。
永瀬、永瀬の恋人・優子は、陣内の失恋リハビリにつきあわされる。

 

「イン」
「バンク」から1年後という設定の話。
陣内バイト先であるデパートの屋上にやってきた永瀬と優子。
前4編には、必ず陣内と陣内の父親との確執がチラリとのぞく。
その確執を見事に振っ切った事件をラストに描いている。

 

5編を通じて、陣内の父親に対する気持ちの軌跡が描かれ、
また、陣内のキャラクターが際立ってくるストーリー性。
確かに、伊坂さんがおっしゃる通り、「短編集のふりをした長編小説」だと思う。

 

 

旧「紙飛行機文庫」に書いた「チルドレン」の感想はこちらです。

 

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単行本   チルドレン

出版社  講談社

発売日  2004年05月21日

 

 

文庫本   チルドレン (講談社文庫)

出版社  講談社(講談社文庫)
発売日  2007年05月15日