2009年12月27日「SOSの猿」を読みました。
感想 <SOSの猿>
他人の「SOS」を見逃せない遠藤。
「ものごとの原因」にこだわる五十嵐。
どちらも、わたしの性格の一部分と似ており、とても興味深い登場人物だった。
ふたつの話が同時進行し、最後につながるというパターンは、伊坂さんの作品ではよくあるので、それについての戸惑いはなかった。
むしろ、このふたつがつながるであろうと思われる箇所を見つけるたびにわくわくした。
あらすじ <SOSの猿>
漫画家・五十嵐大介さんと共同で構想し、それぞれが小説とコミックで競作した作品だそうだ。
家電量販店でエアコン販売担当の遠藤二郎は、他人の発する「SOS」を見過ごせない性格である。
「辺見のお姉さん」は、息子・眞人のひきこもりで悩んでおり、遠藤に悪魔祓いを依頼する。
桑原システムの社員・五十嵐真は、300億円の損失を出した菩薩証券の株誤発注事故の原因調査を命じられる。
五十嵐真は、「ものごとの原因」にこだわる性格である。
こちらの話は、孫悟空の語りという形で進行する。
このふたつの話が交互に繰り返され、後半にはひとつになる。
中央公論社 伊坂 幸太郎 「SOSの猿」を語る(伊坂 幸太郎インタビュー)
旧「紙飛行機文庫」に書いた「SOSの猿」の感想はこちらです。
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単行本 <SOSの猿>
出版社 中央公論新社
発売日 2009年11月26日
文庫本 <SOSの猿>
出版社 中公文庫
発売日 2012年11月22日