2009年11月3日「モダンタイムス」を読みました。
感想 <モダンタイムス>
登場する人物が、いつも個性的なキャラクターで、それが愉しみでもある、伊坂さんの作品。
「モダンタイムス」でも、いましたねー、個性派が。うふふ。
「井坂好太郎」という、女好きで、胡散臭い小説家。
名前が名前だけに、小説の中での彼のセリフは、本当の伊坂幸太郎さんの言葉なのか・・・伊坂さんは、そういう考えなのか、と、思ってしまう。
主人公・渡辺拓海の妻・佳代子は、恐妻である。
「結婚とは、一に我慢、二に辛抱、三、四がなくて五にサバイバル」と、拓海が言うほどの妻である。
ほんと、最初は、ありえないほど恐い妻が描かれていたけど、小説のラストに近づくほど、彼女の印象が変わってくる。
この小説は、拓海の小学3年生の時の言葉で始まる。
「実家に忘れてきました。何を? 勇気を。」
その彼が、ラストではこう言っている。
「勇気は彼女(妻の佳代子)が持っている。俺がなくしたりしないように」
あんなに恐がっていた妻なのにね。
案外、いい夫婦じゃん。
あらすじ <モダンタイムス>
「魔王」の続編。今より50年ほど未来の話。
主人公は、システムエンジニアの渡辺拓海。
キーワードは「検索」。
現代のインターネットや、システムについて、鋭く突いている感じだ。
渡辺拓海は、あるシステムの改良の仕事を担当する。
前任者の五反田正臣は、失踪した。
その五反田は、「見て見ぬふりも勇気だ」と言う。
単純な仕事のはずだったのに、大きな組織に狙われることとなる拓海。
彼は見えない敵の実体と闘うこととなる。
旧「紙飛行機文庫」に書いた「モダンタイムス」の感想はこちらです。
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単行本 <モダンタイムス>
出版社 講談社
発売日 2008年10月16日
文庫本 <モダンタイムス>
モダンタイムス(上) (講談社文庫)
出版社 講談社文庫
発売日 2011年10月14日
モダンタイムス(下) (講談社文庫)
出版社 講談社文庫
発売日 2010年10月14日