紙飛行機文庫 <紙飛行機ドットコム>

伊坂幸太郎さんの作品に惹かれて、伊坂幸太郎さんのファンになりました。伊坂幸太郎さんの、最新刊から文庫本まで読み、感想やあらすじなどを書いています。

マイクロスパイ・アンサンブル <伊坂幸太郎さん>

「マイクロスパイ・アンサンブル」を読みました。
2022年5月4日  感想とあらすじを書きました。
ネタバレ・本文引用を含みますので、未読の方はご注意ください。

マイクロスパイ・アンサンブル

感想 <マイクロスパイ・アンサンブル>

マイクロスパイとは、そういう意味だったのですね。
カバーイラストのマグカップは、ここで登場するのですか。
読み進めるうちに、タイトルやカバーのイラストの意味がわかってきました。

最初は、こっちの世界とあっちの世界の交錯に戸惑いました。
徐々に、ああ、そういうことかと気がつき、どんどんのめり込んでいきました。


音楽&アートフェスティバル「オハラ☆ブレイク」での連作短編が基になっていることもあり、音楽との融合も素敵でした。
「アイネクライネナハトムジーク」では、伊坂さんの短編から、斉藤和義さんが歌を作っていらっしゃいました。
今度はその逆で、The ピーズさん・TOMOVSKYさんの歌詞から、伊坂さんが物語を作られたのですね。
そうそう、この本の中に『日本人がボクシングのヘビー級チャンピオンになったのをテレビで観て』という「アイネクライネナハトムジーク」との作品間リンクにも、ニヤリとさせてもらいました。

ラストの「おまけ 七年目から半年後」に出てくる彼と彼女は、あの人たちかなあと想像したりして。
現代版おとぎ話をたっぷりと楽しませていただきました。

伊坂幸太郎様、ありがとうございました。

 

「マイクロスパイ・アンサンブル」好きな言葉を「365日 本棚のしおり」に書きました 

 

 

カバー(1) <マイクロスパイ・アンサンブル> 

この本のカバーは3種類あります。
通常カバー、福島県書店限定カバー、TSUTAYAさん限定カバーの3種類です。
通常版が昼、福島県版が夕方、TSUTAYAさん版が夜をイメージして、それぞれ、青・オレンジ・紺を基調としたカバーなのだそうです。

本文より、イメージされたカバーなのでしょうか。
タイトルの「アンサンブル」は調和という意味もあります。
物語とカバーが調和していて、とても素敵です。
全てを大切にしたい本だと思います。

マイクロスパイ・アンサンブル

【通常版-昼-青】かな?
<P22より>
正面に青が、青というよりも水色が広がっていた。空だ。水の色は光の色だ、とエージェント・ハルトに言われたことを思い出した。

 

【福島県版-夕方-オレンジ】かな?
<P94より>
日が落ちるとともに、オレンジとも赤ともつかない色が湖面を染めはじめた。行灯が発するような温かみのある、ぼんやりとしたものに見えたが、だんだんと鮮やかに、空と湖に沁みていく。

 

【TSUTAYAさん版-夜-紺】かな?
<P86より>
ほとんど夜の暗幕が落ちてはいたが、湖面は月の光で照っている。空が映し返す巨大な鏡のようだ。繊細に震え、美しかった。

 

 

カバー(2) <マイクロスパイ・アンサンブル>

この本の「五年目」の話の中で『揃った時に、扉、出てくるんです』とあります。
例えば、猪鹿蝶、日本三景、松竹梅など。
3つのものが揃うことが大事なようです。

マイクロスパイ・アンサンブル

この本のカバーが3種類あるのは、そのためでしょうか。
だったら、3つ揃えたいですよね。こっちの世界で3つ揃えたら、あっちの世界のマイクロスパイがやってきてくれるかしら。
そんな想像をするのも、おとぎ話のいい所かもしれません。

 

 

あらすじ <マイクロスパイ・アンサンブル>

「ぼく」と「僕」の二人の話が交錯しながら物語は進みます。
あっちの世界の「ぼく」は、父親や仲間による暴力から逃げ出し、スパイとなって成長していきます。
一方、こっちの世界の「僕」は、就職活動中に失恋を経験しますが、入社した会社で社会人として成長いきます。

それぞれの1年ごとの成長、出会い、不思議な出来事、謎の解明が描かれています。

マイクロスパイ・アンサンブル

帯に「現代版おとぎ話」と書かれています。
子どもに「むかし、むかし、あるところにね」と語りかけるように「〇年前に猪苗代湖でね」と、誰かに話をしたくなる物語です。

 

 

紹介 <マイクロスパイ・アンサンブル>

2015年より、猪苗代湖畔を舞台にした「オハラ☆ブレイク」という音楽&アートフェスティバルが開催され、そこに伊坂幸太郎さんも参加していらっしゃいました。
オハラ☆ブレイク様のコンセプトはこちらです

伊坂さんは「猪苗代湖の話」というタイトルの連作短編を書き下ろされていました。
その冊子は、ずっと、そこに行かなければ手に入れることができなかったのですが、ついに「マイクロスパイ・アンサンブル」として書籍化されたのです。
7年分の連作短編と「昔話をする女」「おまけ 七年目から半年後」が加わった1冊です。
この本ができるまでの経緯を、伊坂さんがこの本のあとがきに書いてくださっています。


幻冬舎様の「マイクロスパイ・アンサンブル」特設サイトはこちらです。

マイクロスパイ・アンサンブル

 

●「マイクロスパイ・アンサンブル」の紹介ポストカードを作りました。

マイクロスパイ・アンサンブル



紙飛行機ドットコム 更新情報 <マイクロスパイ・アンサンブル>

 

● 2022年5月8日
テガミスト*Diary 
  「2022年6月号の「ダヴィンチ」を読みました
  

 

● 2022年5月7日
テガミスト*Diary 
  「新聞とテレビ
   

 

● 2022年5月6日
テガミスト*Diary 
  「3つのものが揃う」 
   

 

● 2022年5月5日
テガミスト*Diary 
  「立夏の読書
    

 

● 2022年5月4日
紙飛行機文庫
  「マイクロスパイ・アンサンブル」感想・あらすじ   

 

● 2022年5月4日
365日 本棚のしおり
  【好きな言葉】「マイクロスパイ・アンサンブル」  

 

● 2022年5月3日
テガミスト*Diary 
  「インタビュー記事を読みました」  
 

 

● 2022年4月29日
テガミスト*Diary 
  「3冊揃いました」  
 

 

● 2022年4月28日
テガミスト*Diary 
  「とてもありがたいお話をいただきました」  
 

 

● 2022年4月27日
テガミスト*Diary 
  「伊坂幸太郎さんの新刊を読み始めます」 
  

 

● 2021年4月17日
テガミスト*Diary 
  「福島県書店限定カバーが欲しいです 
   

 

● 2022年3月23日
テガミスト*Diary 
  「新刊発売が待ち遠しいです」 
  

マイクロスパイ・アンサンブル

 

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 単行本 マイクロスパイ・アンサンブル

出版社  幻冬舎 
発売日  2022年4月27日

 

文庫本 <マイクロスパイ・アンサンブル>

マイクロスパイ・アンサンブル 文庫化はまだです

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