2010年7月19日「バイバイ、ブラックバード」を読みました。
感想 <バイバイ、ブラックバード>
5股をかけている男なんて、信じらない!と、フツウなら思うところなのに、星野 一彦はなぜか憎めない男だ。
クスクス笑えるシーン、切ないシーン、ジーンとくるシーンなどなど、特に、余韻のあるラストシーンは、ステキだった。
そして、5股をかけられていた女性もまた、皆、面白い。
誰も、彼を憎んでいない。
彼は、計算のできない男だから。
誰が本命で、誰が浮気というのがないのだ。
その瞬間、瞬間の気持ちだけで生きているのだろう。
最後には、あの繭美さえも、彼の魅力に気がついたのではないだろうか。
届け、繭美のキック!
小説の内容とは別に、本の装丁やフォントもおしゃれで好き。
スピン(しおりとして使える紐)が2本ついていて、
それが、本の装丁に合わせて、水色とベージュなのもステキ。
でも、なぜ2本あるのか、謎だけど。
あらすじ <バイバイ、ブラックバード>
双葉社が企画した「ゆうびん小説」を単行本化したものです。
短編小説1話につき50名の方に、ゆうびんで送られるという企画。(全5話)
面白い企画ですよね。
この単行本は、ゆうびん小説5話と、書き下ろしの最終話が1編加えられています。
星野 一彦は、2週間後に<あのバス>に乗せられてどこかへ連れて行かれる。
その2週間、彼が逃げないように監視しているのが繭美だ。
この繭美というのが、身長180cm、体重180kg、品がなく、口も悪い怪獣女だ。
その繭美と結婚することになった、と星野 一彦は言う。
そうやって、2週間の間に、付き合っていた5人の女性にお別れを言うという話だ。
Ⅰ 廣瀬 あかり
ジャンボラーメンで別れを決めさせられるあかり
Ⅱ 霜月 りさ子
離婚後、海斗を女手ひとつで育ててきたりさ子
Ⅲ 如月 ユミ
ロープが好きなユミ
Ⅳ 神田 那美子
女優の那美子
Ⅴ 有須 睦子
乳ガンかもしれない睦子
Ⅵ 繭美
消された単語の多い辞書を持つ繭美
旧「紙飛行機文庫」に書いた「バイバイ、ブラックバード」の感想はこちらです。
----------------------------------------------
単行本 <バイバイ、ブラックバード>
出版社 双葉社
発売日 2010年06月30日
文庫本 <バイバイ、ブラックバード>
出版社 双葉文庫
発売日 2013年03月14日
文庫本 <バイバイ、ブラックバード>
出版社 双葉文庫
発売日 2021年02月10日