2009年4月4日「ラッシュライフ」(文庫本)を読みました。
感想 <ラッシュライフ>
5つの話が並行して進んでいくので、初めて読んだときは、少し頭が混乱気味だったのが、再読となると、安心して読めたし、先を知っているだけに、細かい部分まで読み逃すこともなく愉しんで読むことができた。
ほんとに、うまく構成されている小説だと思う。
伊坂さんの頭の中は、どうなっているんだろう。
素晴らしい。
この小説の最後の部分に出てくる、「だまし絵」の中にいる、
「屋上から離れて一人だけ、その行進を見上げている男」、
これは、もしかしたら伊坂さんなのかもしれないと思った。
5つの話の中で、一番の興味は「黒澤」だ。
他の伊坂さんの作品の中にも登場するキャラクターでもあるし、「泥棒」でありながら、そのセリフが深いところが好き。
5つの話が並行して進むため、シーンがころころと変わる。
それをわかりやすくするための、配慮なのか、シーンが変わるたびに、かアイコンが描かれている。
そのため、誰の話(どの話)なのかが、わかりやすい。
そういうのって好きだなぁ。
あらすじ <ラッシュライフ>
画商の戸田と画家の志奈子
泥棒・黒澤と同級生の佐々岡
新興宗教の教祖にひかれる河原崎と塚本
精神科医の京子とサッカー選手の青山
失業中の豊田と野良犬
この5つの話が並行してすすんでいく。
それぞれ別の人生の話だというのに、
意外なところで結びついていく、だまし絵のような結末。
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単行本 <ラッシュライフ>
出版社 新潮社
発売日 2002年07月
文庫本 <ラッシュライフ>
出版社 新潮社(新潮文庫)
発売日 2005年04月