2020年5月3日「逆ソクラテス」を読みました。
感想 <逆ソクラテス>
「逆ソクラテス」と「スロウではない」の2編は、別のアンソロジーの文庫本や雑誌で読んでいましたので、再読ではあるのですが、今回、印象が違ったものになりました。
ひとつひとつ短編として読むのと、書下ろしの3編が加わった1冊の本として読むのとでは、違いがあるようです。
それは、最後の「逆ワシントン」の影響があるのかもしれません。
5編とも、小学生を主人公とした話です。
それぞれ、個別の短編として読んでも面白いのは、言うまでもありません。
さらに、最後の「逆ワシントン」では、それまでの4編に出てくるエピソードやキーワードが、少し盛り込まれています。
すべてがつながっているというわけではないのですが、一つの小説を読んだような感覚になりました。
「逆ワシントン」の最後の方で、家電量販店の場面が出てきます。
この時、売場にあるテレビではバスケットボールの試合が映っていました。
この場面は「アンスポーツマンライク」のエピソードとつながるのだと思います。
バスケのプロチームに行くことを決意した駿介が言いました。
「なあ、俺がいつかプロでプレイするところ、観てくれよ」
(アンスポーツマンライク P226)
「逆ワシントン」で、バスケットボールの試合を見て、目を真っ赤にした、家電量販店の店員さんは、きっと「アンスポーツマンライク」に出てくる、あの人でしょう。
この場面で思い出すのは、「スロウではない」の磯憲先生の言葉です。
「やり直そうとしているんだったら、やり直させてやりたくないか」
(スロウではない P82)
また「逆ワシントン」の中に太田さんが登場するのは、伊坂さんのサービス精神でしょうか。
かなり横幅のある、ゴム鞠のような体型のゲームセンターの店員さんのネームプレートには「太田」と書かれていたとあります。
(逆ワシントン P253)
この太田さんって、裏稼業コンビの一人ですよね?
こういう、伊坂さんファンを楽しませてくれるところを見つけるとうれしくなります。
いつも、わくわくさせてくれる伊坂幸太郎様に感謝申し上げます。
●「逆ソクラテス」好きな言葉を「365日 本棚のしおり」に書きました
あらすじ <逆ソクラテス>
小学生が主人公の5話が収録されています。
「逆ソクラテス」
担任の先生の先入観をひっくり返そうとする、小学生たちの話。
「スロウではない」
くじ引きでリレーの選手になった小学生の、友情といじめの話。
「非オプティマス」
授業の邪魔をする小学生と、その同級生と担任の先生の話。
「アンスポーツマンライク」
アンスポーツマンライクファウルで、小6最後のミニバス大会は負けた話。
「逆ワシントン」
同級生が、親から虐待されているのではないかと、心配する小学生の話。
● 集英社様の「逆ソクラテス」特設サイトはこちらです。
紙飛行機ドットコム 更新情報 <逆ソクラテス>
● 2020年10月3日
テガミスト*Diary 【逆ソクラテス】
「柴田錬三郎賞を受賞 おめでとうございます」
● 2020年5月7日
テガミスト*Diary 【逆ソクラテス】
「インタビューを読む」
● 2020年5月4日
テガミスト*Diary 【逆ソクラテス】
「ポストカード『逆ソクラテス』を作りました」
● 2020年5月2日
テガミスト*Diary 【逆ソクラテス】
「ゴールデン休み」
● 2020年5月1日
テガミスト*Diary 【逆ソクラテス】
「『青春と読書』が届きました」
● 2020年4月27日
365日 本棚のしおり
【好きな言葉】「逆ソクラテス」より
● 2020年4月27日
テガミスト*Diary 【逆ソクラテス】
「裏稼業コンビ」
● 2020年4月26日
テガミスト*Diary 【逆ソクラテス】
「名前の読み方がわかりました」
● 2020年4月25日
テガミスト*Diary 【逆ソクラテス】
「2週間後の青春と読書」
● 2020年4月24日
紙飛行機文庫
「逆ソクラテス」発売日
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単行本 <逆ソクラテス>
出版社 集英社
発売日 2020年4月24日
文庫本 <逆ソクラテス>
逆ソクラテス 文庫化はまだです
出版社
発売日
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