2015年10月12日「陽気なギャングは三つ数えろ」を読みました。
感想 <陽気なギャングは三つ数えろ>
「さて、みなさん」という響野の言葉で始まる「陽気なギャングは三つ数えろ」です。
最初から「お帰りなさい!」「待っていました!」とわくわくさせてもらいました。
久遠が外国旅行に行っていて、銀行強盗は二年ぶりということです。
そして、シリーズとしては2006年の「陽気なギャングの日常と襲撃」から9年ぶりです。
その間に、登場人物は成長したり、年齢を重ねたり、そして世の中は防犯ビデオだらけになるなどいろいろと変化がありました。
雪子さんの息子の慎一くんは大学生になったんですねぇ。
その慎一くんは、現在、教習所に通っているらしく、そこで出会った女の子の話が最初の方(P49)に出てきます。
その後、その話に触れられることがないので、あれは何だったのかしら?
意味のないエピソードが盛り込まれているとも考えにくいのだけど・・・・。
と、読み進めていくと。
おおっ! 最後に出てくるじゃないですか! なんとまぁうれしいですねえ。
ここにつながりますか。(P222)
「やっと、地球に帰ってきました」
ほんとにほんとに「お帰りなさい!」
あらすじ <陽気なギャングは三つ数えろ>
「陽気なギャングは地球を回す」 2003年2月
「陽気なギャングの日常と襲撃」 2006年5月
この二作に続く、シリーズ三作目の「陽気なギャングは三つ数えろ」です。
2015年10月
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成瀬・響野・久遠・雪子の4人が、銀行強盗をする場面から始まります。
銀行強盗の際、久遠は左手に怪我を負います。
その後4人は、雪子の息子・大学生の慎一がバイトをしているホテルのロビーに集まりました。
そこで、失踪中のアイドル・宝島沙耶と、その沙耶を追っている週刊誌記者・火尻と出会うのです。
火尻は、事件の関係者にまつわるスキャンダルをほじくって、面白おかしく書く、最低の男です。
その火尻は、久遠の左手に巻かれた包帯を見て銀行強盗犯ではないかと怪しみます。
そして、自分がカードゲームで背負った借金返済のために、4人を脅迫してくるのです。
火尻に、カードゲームでの借金返済を迫るチームクワガタ。
そして、火尻に恨みを持つ人間たち。
いつの間にか、銀行強盗4人組は、そのトラブルに巻き込まれていくのです。
この小説の最初の方(P21)で、スリをする久遠に対して、響野が説教をします。
「久遠、おまえ、そうやって人のものを盗んでばっかりいるとな、遅かれ早かれ捕まるぞ。取り押さえされて、地べたに這いつくばることになってだな。そこで通りかかった私に『助けてください、響野様』なんて言ったところで、どうにもならないんだからな」
この言葉を思い出させる場面がラストに待っていたとは!
4人のキャラクターがとても魅力的なシリーズです。
旧「紙飛行機文庫」に書いた「陽気なギャングは三つ数えろ」の感想はこちらです。
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単行本 陽気なギャングは三つ数えろ (ノン・ノベル)
出版社 祥伝社
発売日 2015年10月8日
文庫本 陽気なギャングは三つ数えろ (祥伝社文庫)
出版社 祥伝社
発売日 2018年9月12日